読了

吉行淳之介「湿った空乾いた空」(新潮文庫)

ISBN:4101143080 なんとなく今年最後の本。 海外旅行記みたいなものだな。 ま、この当時、外国で車乗って不倫旅行だなんてねえ。うらやましいこと。

岩井志麻子「恋愛詐欺師」(文藝春秋)

会社の人がまたもオススメで貸してくれた。 んー、短編としては、ちょっと当たり外れが激しいのかな。 前に読んだ「がふいしんぢゆう―合意情死」に比べると、質はだいぶ劣るね。 この手の話も、さらさらと書けちゃう人なのはわかるんだけど、いまひとつ。

レイモンド・チャンドラー「フィリップ・マーロウ―世界の名探偵コレクション10」(集英社文庫)

なんとなく本棚にあったので時間つぶしに。 チャンドラーが好きかというと、そうでもない。 ハナシがよくわからんうちに勝手に銃撃戦に巻き込まれて解決しちゃうんだもの。

フローベール「ボヴァリー夫人(上)(下)」(岩波文庫)

ISBN:4003253825 ISBN:4003253817 今読む必然性はまったくないんだけど、こういう日常生活と無関係なものもまた楽しいよな。 まぁ解説でもさんざん言及されているように、 エンマ(ボヴァリー夫人)の求めるものは、まさしくフローベール本人が目指す芸術の完…

大江健三郎「叫び声」(講談社文芸文庫)

んー、ピンとこないんだな。 まぁ若いときに読まなかったのもあるだろうけど、こういうタイプの青春は共感できるものが少ないよ。 さらっと読めるのはいいんだけどね。

川端康成「山の音」(新潮文庫)

ホントに数ページずつ読んだので、読み始めて3ヶ月くらい経ってる気がするね。 どんよりとした老いの哀しみと家族関係を描きながらも、読後には、なにかさっぱりとした明るさも感じられる。

舞城王太郎「好き好き大好き超愛してる」(講談社)

「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」のほうは初読。

R・ブローティガン「バビロンを夢見て」(新潮社)

ISBN:4105127012 この1ヶ月、1冊の本も読めず。いや、読みかけてはいるんだが、読み終わらず。 悪いループにはまって抜け出せない感じ。なんとか読んだ。 落ちるところまで落ちた主人公が、ぼんやり白昼夢の世界で冒険を繰り広げる話。 こういうの読むと、や…

菊地成孔「歌舞伎町のミッドナイト・フットボール」(小学館)

2冊目のエッセイ集。ますます幅広くなってきて、なかなか全容をつかめる読者はいないと思うけどね。 ジャズ評と小説が良い。 あと、ブックカバーを外すほうがカッコいい。 えー、3年ほど前、当時の菊地サイト(mitsumine)の日記を毎日読んでバリバリ影響を受…

リチャード・ブローティガン「ハンバーガー殺人事件」(晶文社)

ISBN:4794922590 わかりやすい遺作ですね。 この邦訳の題名は感心しないなぁ。とほほ。

大森望・豊崎由美「文学賞メッタ斬り!」(PARCO出版)

今さら借りてみた。どういう読者を対象にしてるのかなぁ。 対談形式のわりに、お互いにほとんど同調してるだけなので、ブックガイドとしても中途半端な気が。 これ読んでも、読みたくなるような本は別に無かったよ。

川端康成「虹いくたび」(新潮文庫)

ISBN:4101001170 映画は若尾文子が麻子役で出てるんですね。

原研哉「デザインのデザイン」(岩波書店)

中学生のころ、原田宗典を読んで原研哉を知り、吉田戦車の「伝染るんです」で、祖父江慎を知ったワタシは この2人によって初めて「装丁家」というものを意識しました。 ま、同じ世代でそういう体験を持つ人はたくさんいるだろうね。 で、原研哉のデザイン論…

川端康成「名人」(新潮文庫)

ISBN:4101001197 ページ数は薄いんだけど、基本的には囲碁の観戦記なので、かなり緊迫した場面の連続。半年も続く勝負の内容に合わせたわけじゃないが、何日もかけて読みついだよ。 名人という呼び名にふさわしい時代の、最後の「名人」という存在の不思議さ…

酒井シヅ「病が語る日本史」(講談社)

日本の医学史研究の第一人者。 なかなか興味深く読ませていただきました。 いまでこそ医学は自然科学に属するが、病み、治療する歴史は、科学史より文化史である。(あとがきより)

J・アーヴィング「熊を放つ」(中公文庫)

高校生の時に読んだと思う。ブックオフで上下とも105円だったので、再読。

「世界の中心で、愛をさけぶ」(小学館)

たまたま手元にあったので読んでみた。まぁ、間違った事を書いてるってほどではないよ。読むとバカになる、というタイプの悪書ではない。 ただし、こんくらいのテキトーな中学生向け小説は山ほどあるよなぁ。何故これが?という感じ。「マディソン郡の橋」く…

S・モーム「劇場」(新潮文庫)

ISBN:4102130225 好みの題材ではあるんだけど、どうもテクニック寄りなのが気になっちゃって、入り込めないんだなぁ。

ティム・オブライエン「世界のすべての七月」(文藝春秋)

ひさしぶりにドッシリした本を読んだよ。 ただし、独立した作品としても読める短編と、それらをリンクさせる別の時間の話が交互に出てくる、という、オブライエン独特の手法によって、いわゆる長編、というのとはまた違う印象だね。 いろいろ連想したものは…

綿矢りさ「蹴りたい背中」(「文芸春秋」2004年3月号」)

あいかわらず、まだまだスタートラインに立ててない感じ。非力だなぁ。 共感できる読者層は、かなり狭い気がする。 OLとかが泣ける本が今売れてるんでしょ?だとしたら、これは一般層には理解しがたいのでは。 そのほうがずっといいと思うけど。 うーん、綿…

金原ひとみ「蛇にピアス」(「文芸春秋」2004年3月号」)

おー、期待してなかったんだけど、想像を越えて良かったな。見直した。 うまいじゃない。20歳とは思えない技巧もちらほら。 例を挙げると、刺青の店に訪れる場面が2度あるのだが、この行為の反復と差異だとか、 次第に大きくなっていく舌ピアスの穴(サイズは…

舞城王太郎「矢を止める五羽の梔鳥」(『新潮』6月号)

さぁ、来た! このタイトルは一応、話のポイントであるので説明は省く。 まぁわかったところで特に問題ないけどさ。竜安寺にあるそうな。 舞台はおなじみ西暁町。 初期のノベルズ作品のような、【見立て】とか、【謎解きのためだけの謎】が久しぶりに頻出し …

佐藤雅彦・竹中平蔵「経済ってそういうことだったのか会議」(日経ビジネス人文庫)

いつか読む日が来るのかなぁ、と発売当初から思ってた本。古本屋で、あ、そろそろかも、という気分になったので購入。 興味ないときに読んでも仕方ないしさ。んで、ホントに経済なんて何も知らないから、全ページで、目からウロコ。単純だ。

R.P.ファインマン「ご冗談でしょう、ファインマンさん」(岩波現代文庫)

子供の頃のエピソードはつまんないけど、マンハッタン計画に参加するあたりから、ぐっと面白くなる。まぁ文章は行き当たりばったりなんだが。 発売当時、日本でベストセラーになってたので、それは喜ばしいことだと思うよ。 今年の目標は「理系科目を学ぶ」…

保坂和志「生きる歓び」(新潮文庫)

イヤなタイトルだなぁ。でも、保坂が今重要な作家であるのはよくわかるよ。

ローレンス・レッシグ「コモンズ」(翔泳社)

すごい本。いろいろ考えさせられたんだけど、書ききれないや。 コレを肴にして半日くらいは喋れそう。 読み始めてからは、ずーっと、朝から晩までどっぷりと影響されてて。 簡単に言うと、天才法律家による著作権についてのハナシ。インターネット、社会シス…

リチャード・ブローティガン「芝生の復讐」(晶文社)

ISBN:4794922299 短篇集。好きなんだよなぁぁぁ。翻訳もうまいと思うよ。

山形浩生「新教養主義宣言」(晶文社)

雑誌なんかで時々目にする山形の雑文は、まぁ面白かったりそうでもなかったりするんだが、こうやって一冊にまとめて出版する、というのは非常に有効なのではないか。 まぁ、山形浩生という人物とその仕事を、おぼろげにも認識・把握できていない人にこそ読ま…

ジェイ・マキナニー『ランサム』(新潮社)

ASIN:4105205021 駄作と言って済ますのは簡単だけど、まぁこういう死に様を描きたかったのかな、と思ってあげなくもないね。100円コーナーで買いました。翻訳されてるマキナニー作品は全部読んだので、順位。 モデル・ビヘイヴィア (1998) ブライト・ライツ…

川上弘美「センセイの鞄」(平凡社)

なんかフワフワしたまま終わってしまう短編よりは、こういった長いもののほうが雰囲気が楽しめていいかも。 内容は単純ですが、ひとつの書き方の例みたいなものですね。 これ読んで単純に影響うけまくってしまう三十路の女性がいたら、それはそれで困ると思…