川端康成「名人」(新潮文庫)

ISBN:4101001197
ページ数は薄いんだけど、基本的には囲碁の観戦記なので、かなり緊迫した場面の連続。半年も続く勝負の内容に合わせたわけじゃないが、何日もかけて読みついだよ。
名人という呼び名にふさわしい時代の、最後の「名人」という存在の不思議さ。
やっぱりね、近代の終わる最後の瞬間を見る思いだったのかね。ほんとに淡々とした記録でありながら、それだけで浮かび上がる存在感があります。