トム・ジョーンズ「拳闘士の休息」(新潮社)

拳闘士の休息
イェー!いい作家だ。もっと読みたい、と思わせる強力なパワーがあるね。
でも1945年生まれなのか。既に60歳近いじゃないか。
この作家については、タフでエネルギッシュな文章、あるいは癲癇症がうんぬん、という面で多く語られてるようであるが、何よりも、文章の長さの見極め、切り上げのタイミングが非常にうまいと思う。最上級の傑作から、そこそこの佳作まで、作品としての質はまちまちだとしても、短篇小説としての緊張感と、ピリッとした読後感は常に目を見張るものがある。