劇団☆世界一団『不思議な森のチュチュ』(新宿シアターサンモール)

高校時代の同級生たちと皆で観劇。
最後だから、感想書いちゃうぞ。
内容は、やっぱり全体的な求心力には欠けるなぁ。話のスジには、全然わくわくしないもの。
『荘厳序曲2025年』以来、4年半見続けて、単にこっちの眼が肥えた、ということでもない気がする。
小ネタは面白かったけどさ。
世界一団の作品は、一貫してこういった複数のストーリーと登場人物が、
ラストに向けて収縮していく、という構造で作られていると思うんだけど、
『645』と『スペースラブ』には、“その一瞬”に向かうだけの理由がハッキリしてると思うのね。
だからこそ、役者が何役も登場人物を兼ねたり、場面がごちゃごちゃと切り替わっていっても
…そういう複雑さが逆に、最後に一本につながった時のカタルシスを生む要因になっていて、
その点についてはもう、充分に自覚的だったと思うわけ。
前回の『遊園地』も、いかんせん独創性に(大いに)欠ける部分はあったけれど、
軸となる遊園地と経営者家族の数奇な運命というのは、その2作に匹敵する流れの巧みさが感じられたはず。


ところが今回、「第一期終了公演」ということで、いつもの多層的な構造と乱雑さだけが「劇団の個性」として意識されたあまり、
それらをリンクさせる、肝心な「関係の必然性」が薄れた、と。
そんな事をちょっと考えてみた。


音楽劇としての方向性はよかったと思う。演奏も、役者の余技にはもったいないくらい上手いし。


ちなみにラストにかかってた曲はマルーン5だそうな。